・感染

ちょっと前に書いた仙川環著「感染 (小学館文庫)」を読了。子どもの臓器移植がメインテーマとなり、そこに親子や夫婦の愛憎劇が横糸となって織り込まれてます。
以下、登場人物の1人の台詞を抜粋。

教えてくれよ。どうして子供の臓器移植は認められていないんだ。そもそも、どうして臓器を提供してくれる人が少ないのか。俺には分からない。脳死になったら判定ミスでもない限り、生き返ったりはしない。それなのにどいつもこいつも心臓や肝臓を灰にしてしまう

俺のこの手は何のためにある? 俺は手術をうまくやってのける自信がある。心臓を提供してもらえれば、何人の命を救えたか……。耐えられなかったんだ。患者を見捨てて平然としていられるほど俺は強くない

2時間程度で読めるボリュームながら、こうした台詞にも現れているように、なかなか考えさせられる内容でした。かといって小難しかったり重苦しかったりするわけではなく、単純に読み物としてもおもしろかったです。展開が早く、次から次へとページを捲ってしまいます。
ホントに強力推奨されるに違わぬ本でした。満足!(・∀・)

感染 (小学館文庫)

感染 (小学館文庫)