・天空への回廊

笹本稜平著『天空への回廊』 (ISBN:4334737110) 読了。最近の掛け持ち読書の中で、ワクワクドキドキな面白さはダントツな作品でした。

エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落! 雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させかねない、とんでもない秘密が隠されていた。
八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘! 大藪賞作家、渾身の超大作!

これはAmazonの内容紹介です。ここだけ見ると、ありがちな冒険活劇的国際謀略モノみたいな印象を持つかもしれません。確かにそれはそうなんですが、でも決してそんな薄っぺらな作品じゃありません。とにかく話の展開が上手すぎ。最後の最後まで読者をのめり込ませるプロットが詰め込まれてます(書きたい要素がいっぱい! ネタバレになるんで自粛しますけど (^^;)。そして極限状態の雪山描写が上手すぎ。
このところ派手な描写のある作品をあまり読んでなかった点を差し引いても、俺的年間ランキングのベスト3に入ります。同じく雪山を舞台にした真保裕一著『ホワイトアウト』 (SBN:410127021X) もかなり面白かったんですが、個人的にはあれに勝るとも劣らない作品です。
とにかく先が気になってしょうがない。交差点の信号待ち時間ですら、取り出して読み始める始末。まさに巻置くを能わず。手放しで面白かったと言える作品でした!