・横山秀夫

出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海 (講談社文庫)

第2次世界大戦下の日本を舞台にしつつも、いわゆる戦争物のような描写はほとんどなく、徹底的に当時の若者たちの内面に焦点を当てた作品。でも、特攻人間魚雷「回天」に乗らざるを得ない悲劇を描きながら、それでいて読後は爽やかな印象すら残ります。常に主人公の大学野球への情熱が語られ、野球のシーンが脳裏に浮かび、ゆえに作品のイメージは「青空」でした。3時間。