・Quartz や Core なあれこれ

Mac OS X の基本仕様の1つに、「Quartz Extream」があります。CPU ではなく GPU を使い、オブジェクトに影をつけたり透明度を変化させたり、OS レベルであれこれリッチな表示をしましょうって技術です。
またもう1つ同じように GPU を使う技術として、「Core Image」や「Core Video」もあります。ピクセル単位の描画を高速化して、単なる描画処理だけじゃなく、エフェクト処理もリアルタイムでやっちゃいましょう、ついでにエフェクト用のプラグインも実装しておきますよって技術です。
Tigerインストーラから Xcode Tools をインストールすると、この辺のテクノロジーを利用したアプリを(比較的)簡単に作れる、各種開発ツールが使えるようになります。
例えば「Quartz Composer」というソフトがあります。以前『未来派図画工作』さんの「Quartz Composer Samples」でその存在を知り、ちょこちょこと使って遊んでます。全くスクリプトを書くことなく、コンポーネントを組み合わせるだけで様々な映像表現が可能になる開発ツールです。作ったファイルは QuickTime として書き出せますし、そもそも保存したファイル自体がそのままスクリーン・セーバーとしても認識されます。RSS フィードを取得するコンポーネントもあるんで、Tiger に付属してる「RSS Visualizer」みたいなのも作れます。
さらにこれは『Apple's Eye』で知ったんですが、「Core Image Fun House」という画像処理ソフトも使えます。去年のWWDC 基調講演の際、静止画や動画に対してリアルタイムにフィルター処理を施してました。覚えてる方も多いと思いますが、あの処理にはびっくりしたものです。Photoshop で待ち時間が発生するようなぼかし処理が、一瞬で完了してましたね。これはあの時画像処理に使ってたソフトです。
あと、一時的に「Quartz 2D Extream」が使えるようになるツール、「Quartz Debug」とか。デフォルトでは有効になっていない「2D Extream」処理を、メニューから強制的に ON にできます。ただアプリを終了させると効果も切れるんで、今は「com.apple.windowserver.plist」を編集し、起動直後から自動的に ON になるようにしてます。
相応のマシンパワーや対応するビデオカードが必要ですが、強力な技術を簡単に利用することができるようになった Tiger。まだまだたっぷりと楽しめそうです。