・THE KING OF POP

マイケル・ジャクソンの『アルティメット・コレクション』 (ASIN:B0002ZEOBO) に入っているライブDVDを観ました。1992年にルーマニアブカレストで行われた「Dangerous Tour」の映像です。そこには正に絶頂期の、キング・オブ・ポップとしての、そして光り輝く「あの頃」のマイケルが映っていました。
もちろんね、今はいろいろあるとは思うんですよ。裁判とかね。それでも間違いなくスーパースターと呼ばれ、天才と呼ばれ、華やかなりし一時代を築き上げたアーティストなわけで。当時のアルバムやMTVで流れたPVなんて、今思い返しても強烈なイメージでした。だからこそライブ映像を観てると、マイケルだけじゃなく、膨大な量の自分の「あの頃」の思い出も甦ってきました。ライブ映像終盤、自然と涙腺が緩んでましたからね。
でももちろん、実際に会場でマイケルを目にした彼らほどではありません。涙、絶叫、恍惚、失神。あふれる歓喜の表情とともに、何人も担架で運ばれていきます。こうした光景は今まで何度も他の映像で目にしてきましたが、それでもやっぱりすごい。
以下ちょっと長いですが、『アルティメット・コレクション』付属の日本語解説に書かれていた、湯川れい子さんのテキストからの引用です。

 このライブ映像が収録されたルーマニアは、この時からわずか3年前の'89年にチャウシェスク独裁政権が崩壊。第二次大戦でソ連に敗れた後、ずっと続いてきた圧政と弾圧の社会主義国家から、やっと解放されたばかりの国だったのだ。

 古くから商業地として栄え、東方のパリと呼ばれた美しい都市だったとはいえ、ブカレスト900万人の人々の生活は貧しく、マイケルのステージがどれほど刺激的で、夢と希望と喜びに溢れた自由への賛歌であったかは、想像にかたくない。そう知ってこの映像を見ると、泣き叫ぶ少女たちや、青年の目に溢れていた涙の意味が、余計のこと胸に迫ってくるような気がする。

納得。